東京都北区×慶大発スタートアップ、中学校に「闇バイト対策ゲーム」を導入
「猫探し」から始まる犯罪への入口を防ぐ教育的取り組み
東京都北区が自治体として初めて、慶應義塾大学発のスタートアップ企業「Classroom Adventure」と連携し、闇バイト対策ゲーム「レイの失踪」を区内の中学校に導入することを発表しました。
この取り組みは、SNSなどで「猫探しのアルバイト」といった一見無害に見えるものから始まり、若者が知らず知らずのうちに犯罪に巻き込まれていく「闇バイト」の問題に対処するための教育プログラムです。
ゲーム形式で学ぶ危険性
「レイの失踪」は、ゲーム形式で闇バイトの危険性を学べるよう設計されています。プレイヤーは物語の中で、友人「レイ」が闇バイトに誘われ失踪するというストーリーを追体験。その過程で犯罪に巻き込まれるメカニズムや危険なサインを学びます。
Classroom Adventureの代表は「従来の一方的な講義形式ではなく、生徒たちが主体的に考え、体験的に学べる形式にしたことで、より深い理解と記憶に残る学びを提供できる」と語っています。
全国初の自治体による導入
北区教育委員会は「SNSを通じた犯罪被害から子どもたちを守るためには、実際の状況に近い形で危険性を理解させることが重要」と指摘。今回の導入は全国の自治体として初めての試みとなり、今後の教育プログラムのモデルケースとなることが期待されています。
今後の展開
Classroom Adventureでは、この取り組みを他の自治体にも広げていく予定とのこと。また、闇バイト以外にも、SNSでの詐欺や個人情報の取り扱いなど、デジタル社会における様々なリスクに対応した教育コンテンツの開発も進めているそうです。
テクノロジーの進化と共に変化する犯罪の形。特に若年層をターゲットにした巧妙な手口に対して、従来の「〇〇してはいけません」という一方的な注意喚起だけでは不十分な時代になっています。ゲーミフィケーションを活用した体験型の学習プログラムは、これからの防犯教育の新しい形として注目されそうです。
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