スタートアップ最新ニュース速報 2025-03-20

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JAXA発スタートアップPenetratorが革新的な空き家発見システムを実証

衛星データと水道開栓データを活用した空き家発見システム

衛星データ×水道情報で空き家問題に挑む新技術

深刻化する日本の空き家問題に、宇宙技術を活用した革新的な解決策が登場しました。JAXA(宇宙航空研究開発機構)発のスタートアップ企業、株式会社Penetratorが、衛星データと水道の開栓データを組み合わせた空き家発見システムの実証に成功したことを発表しました。

空き家問題の現状と課題

日本では少子高齢化や人口減少に伴い、空き家の増加が社会問題となっています。総務省の統計によると、2018年時点で全国の空き家数は約849万戸、空き家率は13.6%に達しており、今後さらに増加すると予測されています。空き家は防災・防犯上のリスクを高めるだけでなく、地域の景観悪化や資産価値の低下など、様々な問題を引き起こしています。

しかし、これまでの空き家調査は自治体職員による目視確認が主流で、広範囲にわたる調査には膨大な時間とコストがかかるという課題がありました。

Penetratorの革新的アプローチ

Penetratorが開発したシステムは、衛星画像データと水道の開栓データという2つの異なるデータソースを組み合わせることで、効率的に空き家を特定します。衛星データからは建物の存在や状態を把握し、水道開栓データからはその建物の使用状況を判断。これにより、現地調査を行うことなく空き家の可能性が高い物件を絞り込むことが可能になりました。

同社の代表は「宇宙技術と地上のインフラデータを組み合わせることで、社会課題解決の新たな可能性を示すことができました」とコメントしています。

自治体との連携と今後の展開

このシステムは既に複数の自治体との実証実験を通じて、その有効性が確認されています。従来の調査方法と比較して、調査時間を約70%削減できたという結果も報告されています。

Penetratorは今後、AIによるデータ分析精度の向上や、他のインフラデータとの連携も視野に入れ、より包括的な空き家対策ソリューションの開発を進める予定です。さらに、空き家の利活用提案など、単なる問題発見だけでなく解決までを視野に入れたサービス展開も計画しています。

宇宙技術が地上の社会課題を解決する時代へ

JAXAから誕生したスタートアップによる今回の取り組みは、宇宙技術の民間活用が加速している好例と言えるでしょう。衛星データという「宇宙の目」と地上インフラデータを融合させることで、これまで解決が困難だった社会課題に新たなアプローチが可能になっています。

Penetratorの事例は、今後さらに多様化するであろう宇宙ビジネスの可能性を示すとともに、スタートアップが社会課題解決の重要な担い手となっていることを改めて印象づけています。


空き家問題という身近な社会課題に、宇宙技術を活用して取り組むPenetratorの挑戦。テクノロジーの力で社会をより良くしていく取り組みに、今後も注目していきたいと思います。

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